抗精神病薬を飲んでいる人にとって、体重増加は、重大な、そして比較的よくみられる副作用です。中でもオランザピンなどは、ほかの薬とくらべて体重増加をもたらす可能性が高いとされています。抗精神病薬を飲むと体重が増えるのか、はっきりとしたメカニズムは解明されてはいませんが、一部の患者さんは、食欲増進と関係していると考えられています。体重が増えて重大な問題になるのは、血糖値が高くなることです。数はごく少ないですが、糖尿病性昏睡や
ケトアシドーシス(全身の強いだるさ、脱力感、吐きけなどが出る
糖尿病の症状)がみられるケースが報告されています。体重をふやす傾向のある薬を服用中の人は、血糖値を定期的にチェックして経過を見守っていきます。体重増加への一番の対策方法は、ダイエットと運動です。これは、統合失調症かどうかにかかわらず、全身の健康を保つ意味からも重要なことです。