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統合失調症・タバコについて

統合失調症の人の喫煙率は80~90%にも及び、喫煙率は一般人の3倍近くあり、飛び抜けて高いといえます。統合失調症とタバコの関係ついて紹介していきます。

統合失調症とタバコの関係

タバコ
統合失調症の人の喫煙率が80~90%にも及ぶことは、いくつかの研究で明らかになっています。統合失調症以外の精神病患者の喫煙率は約50%で、一般の人の喫煙率はおよそ30%ですから、統合失調症の場合は、飛び抜けて高いといえます。統合失調症の人に、どうしてヘビースモーカーが多いのかは、はっきりとはわからないのですが、理由として、いくつかのことが推測されます。

●自己治療説

ニコチンは、人によっては不安を緩和し、眠けを抑え、集中力を高めるように作用します。この効果が、統合失調症の人にとっては、一種の自己治療となっていると考えられています。また、統合失調症に特有の脳機能(音感識別)の障害が、喫煙によって一時的に改善したり、抗精神病薬の副作用で起こるパーキンソン症状が、喫煙によって軽くなることも、調査で明らかになっています。つまりタバコを吸うことは、統合失調症という病気にとって、プラスに作用することもあるらしいのです。

●受容体への影響

ニコチンは、脳の神経伝達物質の受容体に影響を及ぼすことがわかっています。具体的には、ドーパミンやセロトニン、アセチルコリン、ノルアドレナリンなどの放出を促進させます。脳にはまた、ニコチン受容体というものもあって、このような受容体との関わりが、統合失調症と関係していることも考えられます。

●コーヒーや紅茶との関連は?

コーヒー
統合失調症の人は、カフェインの摂取量も非常に多いとされています。ニコチンの場合ほど正確に計量化されていないですが、実際のところは、カフェインも神経伝達物質の受容体に作用し、ドーパミンやセロトニン、ガンマアミノ酪酸、グルタミン酸、ノルアドレナリンなどの代謝に影響を及ぼすと考えられています。一方、カフェインによって神経が過敏になり、不眠、興奮、頻脈、筋肉の痙攣が起こり、それによって統合失調症の症状が悪化することがあることもわかっています。また、コーヒーや紅茶は、抗精神病薬の吸収を妨げることがわかっています。症状の悪化は、そのためでもあると考えられます。