統合失調症の病型(破瓜型・緊張型・妄想型)

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統合失調症の病型について

統合失調症は軽症化し、病型も不鮮明になる傾向がありますが、破瓜型・緊張型・妄想型の3つに分類されます。発病の時期や症状、予後が異なります。統合失調症の病型ついて紹介していきます。

統合失調症は、「破瓜型」「緊張型」「妄想型」に分けられる

統合失調症の病気のあらわれ方は、人によってさまざまです。統合失調症の診断や治療のむずかしさは、ここにあります。同じ精神疾患でも、うつ病が、ほとんど同じ症状、経過、転帰をたどるのとは大きく異なります。2疾患のこのような違いを、ドイツの精神科医ヴァイトブレヒト氏は、「100人のうつ病の人は同じ一つの顔を持つが、統合失調症の人の顔は患者の数だけある」と書いています。また、統合失調症はこのところ軽症化していて、急速に荒廃状態に至るケースはほとんどなくなり、症状が少ないまま推移したり、神経症と見わけがつかないようなケースも増えてきています。そのため、病型(病気の経過や予後を分類したタイプ)も不鮮明になっていますが、伝統的な精神医学の中では、「破瓜型」「緊張型」「妄想型」に分けられます。病型を知ることは、統合失調症の理解を深める上で重要になります。病型によって、発病の時期や症状、予後(病気の将来)が変わってきます。

「破瓜型」について

統合失調症「破瓜型」破瓜とは、元々は女性の16歳のことで、初めての月経が起こる15~16歳の思春期を「破瓜期」と呼びます。統合失調症の「破瓜型」は、若干幅が広く、15~25歳の青年期に発病するもので、男女を問わず発病します。統合失調症は「人生の前半の病気」とされ、若い頃に発病しますが、そのなかでも破瓜型が最も早く、10代に始まります。感情や意欲、思考の障害が中心にあります。妄想や幻覚も起こりますが、あまり多くは見られません。むしろ、性格が急激に変わったように見えたり、身だしなみがだらしなくなったり、奇妙な服装になる、風呂に入りたがらないなどといった、生活行動の乱れが目立ちます。また、青年期の「過敏」と「鈍感」が共存しているようで、普段は温厚なのに、突然、激しい感情のほとばしりをみせる、といったこともあります。典型的な破瓜型の患者さんに接すると、「疎通性が乏しい」という印象を受けます。このような、人間的な接触の欠落こそが、統合失調症の最も特異な障害である、と指摘する専門家もいます。家に引きこもって自閉的になり、社会的な予後は悪いとされています。治療は、興奮したときなどは薬が有効ですが、それよりも、生活指導を早くから根気強く行うことが重要になります。

「緊張型」について

破瓜型と同様、20歳前後で急激に発病します。妄想や幻覚などの症状につづいて、あるいは理由のわからない不眠などのあとに、次に述べるような緊張症状が起こります。

昏迷…急に体を硬くして動かなくなり、呼んでも返事をしません。意識は正常なのに反応を示さなくなります。
興奮…叫び声をあげながら、壁にぶつかったり、戸を叩いたりします。時には、暴力などをふるいます。
拒絶症…食事もとらず、風呂にも入ろうとせず、着がえなどをさせようとすると強く抵抗します。
硬直…全身を曲げ、あるいは伸ばしたままじっとしています。
表情の変化…うつろな顔つきになって、急に眉をひそめたり、口をつき出したりします。
常同…体を前後にゆするなど、同じ動作を繰り返します。
反響動作…目の前の相手と同じ動作をします。

これらの症状は、必ずしもすべてが起こるわけではなく、非常に興奮した状態(緊張病性興奮)か、動きが極端になくなる(昏迷)の状態になることが多いようです。また、興奮が昏迷に変わったり、逆に昏迷が興奮に変わったりすることもあります。興奮や昏迷など典型的な緊張型の症状があらわれている時は、妄想・幻覚などはありませんが、普通、その前後には妄想型や破瓜型の統合失調症の症状が見られます。また、感情的ストレスのあとに、急に緊張症状があらわれるケースがあるので、注意が必要です。緊張型には薬が効果的で、症状は比較的すみやかに消失して、正常な状態に戻ります。ときに、症状の悪化が繰り返され、周期性の経過をたどることがありますが、症状が消えているときは、さほど大きなな障害は残らず、完治することも少なくありません。そのため、緊張型の予後は比較的よいとされています。

妄想型について

破瓜型や緊張型とくらべ、18歳くらいからと、発症時期は遅いですが、30代以上の場合もあります。症状は、妄想に幻覚(幻聴)が伴うことが多く、いわゆる陽性症状が中心になります。感情や意欲、思考の障害はほとんどみられず、あっても軽度にとどまります。そのため、妄想以外は、一見問題のなさそうな人もいます。よく見るとそうではない場合も、「人格が保たれている」印象があります。現在では、世界的に、統合失調症ので一番多い病型といわれています。妄想や幻覚(幻聴)には、ほかの症状よりも抗精神病薬が有効なので、治療が進めやすいタイプといえます。しかし、人によって、少量の薬物で症状がよく抑えられる場合もあれば、治療を続けても症状が長期間続く場合もあります。また、感情が不安定で怒りっぽい人や、思考障害のためにひとつの判断に固執するなど、生活行動に問題があるケースもあり、長期的にみると予後はさまざまです。ただ、高年齢で発病した人ほど治療成績がよく、特に中年女性の場合は予後がよいとされています。

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