統合失調症の原因(遺伝・ストレス)

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統合失調症の原因について

統合失調症の原因としては、遺伝や、社会的、心理的、身体的ストレスなどがあげられます。根本的原因はいまだに不明ですが、いくつかの因子の組み合わせと考えられます。統合失調症の原因について紹介していきます。

統合失調症の原因・複数の因子が存在

統合失調症を引き起こす根本的な原因は、完全には解明されていません。大方認められているのは、次のような考えです。母親の胎内にいたとき、脳になんらかの障害(ウイルス感染、分娩時外傷など)を受けたり、あるいは、病気に対して脆弱な体質を両親から受け継いで、そこに心理的、社会的、身体的ストレスなどが加わったときに、相互に作用して起こるのではないかというものです。つまり、原因は1つだけではなく、いくつかの原因が組み合わさって発症すると考えられています。その組み合わせの要素が1つでも欠ければ統合失調症は起こらない病気だとすれば、その1つをとり除くようにすれば、病気は防げるわけです。現在までの研究で、統合失調症のリスク因子と考えられているものをみてみます。

統合失調症と遺伝の関係

遺伝統合失調症と遺伝との関係は患者さんの家族にとっては、気になる問題です。一般的には、統合失調症の発病率は0.7~1.0%とされていますが父母のいずれかが統合失調症の場合、子どもの発病率は10~12%。両親とも統合失調症のときの発病率は、さらに高く48%程度になります。遺伝が、統合失調症と関係があることは確かでしょう。ただし、たとえば血友病や筋ジストロフィー、色素性網膜炎などは明らかに遺伝的な特質がありますが、統合失調症は、これらの病気のような、遺伝形式が明確になっていません。なんらかの遺伝的因子が発病の可能性を与えることはあっても、発病するには、他の因子も必要になると考えられています。一卵性双生児の場合、1人が統合失調症になっても、もう1人が発病する確率は約60%で、100%ではなく、遺伝だけが原因ではないことがわかります。それに、家系に統合失調症の人がいなくても、発病する場合もあります。

ドーパミン仮説について

脳では、いくつもの神経伝達物質(化学物質)が分泌されていて、神経細胞が情報をやりとりするときの、伝達係のような働きがあります。体を動かしたり、臓器の働きを調節したり、意識や感情の働きにも、神経伝達物質は深くかかわりますが、この中のドーパミン (体を動かす運動系統、食欲中枢、大脳皮質の情動の部分などに関係する)という物質が、統合失調症を引き起こす原因物質になるのではないかという「ドーパミン仮説」が、1970年代に唱えられるようになりました。統合失調症の治療は、1952年にクロルプロマジンという抗精神病薬が使われるようになって、大きく変化しました。それまで治療が困難だった、幻覚、妄想、興奮などの症状が、この薬で改善できるようになったのが理由です。その後、この薬がドーパミン受容体をふさいで、ドーパミンが伝わりにくくなるように作用していることがわかりました。つまり、ドーパミンの情報伝達を遮断すると、統合失調症の症状が起こらなくなり、そのことから、ドーパミンが異常を起こす発現物質ではないかと考えられるようになりました。一部の患者さんの脳内では、ドーパミンが増加しているケースがあることもわかり、「統合失調症はドーパミンの過剰な働きで起こる」とする科学者は多いようです。しかし、この考えはいまだに「仮説」の域にあり、この説では統合失調症のすべてを説明することができない現状があります。特に陰性症状は、ドーパミンを抑える抗精神病薬では効果が出ないため、ドーパミン過剰が関係するとは思われません。最近では、別の神経伝達物質(グルタミン酸=アミノ酸の一種。興奮性伝達物質)の乱れが関係するという仮説も登場していますが、これもまだ研究段階です。

統合失調症とストレスとの関係

ストレス統合失調症は、心理的、社会的ストレスが重なって発病するケースがあります。ただし、例えそれがどんなに過酷な経験だったとしても、ストレスは統合失調症を引き起こす直接の原因にはなりません。例えば、戦争や事件などで監禁されてしまう、地震などの大災害に襲われる、家族の死にあう、離婚をする、などの場合です。このような経験は、非常に強いストレス刺激になる為、不安障害、うつ病、薬物乱用といった精神症状の誘因にはなりえます。しかし、統合失調症はこういったストレスだけでは(遺伝など、ほかの因子がないと)発症しません。ただし、病気の再発にはストレスが影響します。中でも家族や友人など、周囲の人との緊張関係は再発率を高める原因になることが認められています。

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